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ふくしかくネット:保育士試験攻略講座

保育士試験合格へ向けて、各科目の特徴や取り組み方、内容面でのポイントなどを書き綴っていきます。社会的養護・教育原理、子どもの食と栄養につきましては、「社会的養護・教育原理攻略講座」、「子どもの食と栄養攻略講座」があるので、このブログでは、それ以外の6科目を取り扱っていきます。

社会福祉 過去問解説3 

Posted on 17:47:17

<社会福祉 過去問解説3>
(平成30年(前期) 社会福祉 問3)

次の文は、児童の権利擁護とその根拠法に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 児童の意見表明権は、「児童の権利に関する条約」に規定されており、日本政府は条約の締約国であるため、その権利が守られるように施策を考え実施しなければならない。

B 親子間の情緒的関与が過度に不足することにより子どもに重大な発達障害を与えることを防ぐため、「刑法」が「保護責任者遺棄罪」という罰則規定を設けている。

C 親が子どもを学校に通わせないなど、児童の教育を受ける権利が侵害された場合、「学校教育法」において児童のその権利を擁護する規定が設けられている。

D 子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのないように、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が制定されている。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×


<解答・解説>

A=適切
「児童の権利に関する条約」第12条第1項で、
「締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。」と規定されており、
また、締約された(日本が批准した)条約は、わが国の法律以上の効力をもって日本政府等を拘束するので、記述全体として「適切」と言えます。

B=不適切
「刑法」第218条で「保護責任者遺棄罪」という犯罪と刑罰が規定されており、近年でも、「ネグレクト」などには適用され得る条文です。

ただ、「刑法」は、改正は多いものの、戦前に制定された古い法律であり、第218条も古い条文です。
条文の趣旨(保護法益)は、人(特に弱者)の生命・身体の安全です。

一方で「発達障害」という概念は、20世紀後半から提示されてきた、比較的新しい概念なので、少なくとも「刑法」第218条が制定される時点で、重大な発達障害を防ぐことが条文の趣旨(保護法益)として考慮されていたとうことはあり得ないことになります。
つまり、重大な発達障害を防ぐ「ため」第218条が設けられているという点が不適切となります。

※ なお、発達障害は、一般的に「生まれつき」の障害と考えられていますが、Bの前半の「親子間の情緒的関与が過度に不足することにより子どもに重大な発達障害を与える」という記述は、出生後の要因により発達障害が生じることを前提としているため、発達障害の捉え方自体が不適切だと考えられます。
ただ、この問題は「社会福祉」における「児童の権利擁護とその根拠法に関する」問題なので、発達障害の概念まで問うことはねらいとしておらず、意図せずして、発達障害の点でも不適切な記述になってしまったのではないかと思われます。

C=適切
公式の正答に従うと、「適切」だったということになります。

「学校教育法」に、保護者が子に9年の普通教育を受けさせる義務(第16条)や、「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。」(第19条)ことなどが規定されており、そのあたりを要約した記述なのかな、という感じです。

ただ、「教育を受ける権利」の性質が一義的に決まっているわけではない現状で、「児童の教育を受ける権利が侵害された場合」に当たるかどうかの判断を、裁判を待たずして画定することは困難なはずです
また、「成年後見制度」や「福祉サービス利用援助事業」など、福祉制度における「権利擁護」というジャンルはありますが、市町村等の責務等を規定することを「権利を擁護する」と言い換えるのは、しっくりしません。
Aと異なり、全体として、「学校教育法」の一部の条文をうまく要約・言い換えした記述とは言えませんが、「不適切」とも言い切れないということでしょうか。

D=適切
「子どもの貧困対策の推進に関する法律」第1条で、
「この法律は、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、(中略)子どもの貧困対策を総合的に推進することを目的とする。」と規定されており、適切です。

以上より、正解は3となります。


<検討>

筆記試験後に一般のニュースで取り上げられるなど、物議をかもした問題です。
「児童の権利擁護とその根拠法に関する」問題ということなのですが、古い法律である「刑法」と比較的新しい概念である発達障害を関係させようとしてみたり、「学校教育法」の条文を「権利擁護」という言葉で説明しようと試みたりしたものの、うまくまとまらなかった、という問題です。

Cの記述が「適切」だということになりますが、これを覚えたりしたらいけません。
筆記試験では、納得のいく組み合わせがないと思われる場合であっても、その場で「これは不適切問題だ」などと考えるのではなく、問題作成者の意図を考えて、正答に一番近いと思われる肢を選択することが大切です。

現場では、この問題の場合、AとDがどうしても「適切」だと思われるので、選択肢2・3しか残らず、どうしてもBかCの一方を「適切」としなければ答えが出ないことになります
Cの記述が何のことを言っているのかはっきりしませんが、上述のように、「刑法」第218条が制定された時期の古さと、発達障害という概念が出てきた時期の新しさを感じ取れれば、Bを「適切」とすることはできないので、よく分からないCの記述には目をつぶって、B「不適切」、C「適切」で、選択肢3にマークしてくるしかなかったと思います。


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