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ふくしかくネット:保育士試験攻略講座

保育士試験合格へ向けて、各科目の特徴や取り組み方、内容面でのポイントなどを書き綴っていきます。社会的養護・教育原理、子どもの食と栄養につきましては、「社会的養護・教育原理攻略講座」、「子どもの食と栄養攻略講座」があるので、このブログでは、それ以外の6科目を取り扱っていきます。

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社会福祉の優先学習事項【H30(後期)直前向け】 

Posted on 18:24:37

<社会福祉の優先学習事項【H30(後期)直前向け】>

追い込み学習のメリハリをつけていただくために、近年難化している「社会福祉」について、優先学習事項(出題予想事項)をあげてみたいと思います。

昨日の「児童家庭福祉」の記事と同様、20問分を網羅することは難しいので、何問分か、得点を上乗せする、という気持ちでご覧ください。
これだけが出る、という趣旨ではありません。

捨て問になるような、準備不能の少し古めの資料に関する問題や時事問題を今から追いかけることはせず、頻出事項を押さえて6割をしっかり守り、消去法や一般常識も駆使して、結果的には、合格ラインを大きく超えているという形をめざしましょう。

1 理念・概念(リベンジセットのポイント集p4~6)

ノーマライゼーションやバリアフリー等の基本的な用語は確実に押さえておきましょう。
社会福祉の理念や、概念、対象に関する問題として、非常に抽象的な記述が含まれた問題が2~3問は出題されるかもしれませんが、準備は難しいので、よく読んで、しかし深読みはせず、消去法と常識的判断による現場対応で、拾える問題を拾っていきましょう。


2 法律の制定年(順番)

社会福祉に関係する法律の制定の順番を問う問題がよく出題されます。
単純なので、出題されれば、得点源となります。
先日の記事で、「参考」として、社会福祉に関係する法律の制定年をまとめておりますので、特に、平成に入ってからの(長くてややこしい題名の)法律の制定年を確実に押さえておきましょう。

< 社会福祉 過去問分析(法令の制定年表)>


3 社会福祉法

「社会福祉」の基本は、「社会福祉法」の条文です。

● 第一種・第二種社会福祉事業
● 福祉サービスの理念
● 福祉事務所
● 社会福祉法人
● 地域福祉計画
● 社会福祉協議会
● 共同募金

などが表題となった問題の出題が予想されますが、記述の半分は「社会福祉法」の規定だったりするわけです。
余裕があれば、「社会福祉法」の重要条文(リベンジセットの条文集の【重要度A】)にしっかり目を通しておけるといいでしょう。


4 根拠法

(1) 実施機関

社会福祉行政の実施機関等と、根拠法の組み合わせを問う問題がよく出題されます。
例えば、

● 婦人相談所(売春防止法)
● 保健所(地域保健法)
● 地域包括支援センター(介護保険法)
● 身体障害者更生相談所(身体障害者福祉法)
● 有料老人ホーム(老人福祉法)
● 医療保護施設(生活保護法)

といったものを押さえておきましょう。

なお、福祉行政の実施機関に関連して、児童家庭福祉に関する国の行政事務は、厚生労働省の「雇用均等・児童家庭局」が扱っていましたが、平成29年7月から、同局が扱っていた行政事務は、同省の「子ども家庭局」と「雇用環境・均等局」に引き継がれました。

(2) 計画

● 地域福祉計画(社会福祉法)
● 障害者基本計画(障害者基本法)
● 障害福祉計画(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)
● 医療費適正化計画(高齢者の医療の確保に関する法律)

などの、計画名が紛らわしい福祉関係計画の根拠法、おおまかな策定事項を問う問題も頻出です。


5 関連諸制度

● 生活保護
● 年金
● 雇用保険
● 医療保険
● 介護保険

の基本はしっかり押さえて、知らない記述があっても消去法で対応できるようにしておきましょう(ポイント集p11・12、p19~22)。
なお、今年度から、国民健康保険の保険者が、市町村単独から、市町村・都道府県共同になったことも知っておくといいでしょう。

また、近年制定された

● 子どもの貧困対策の推進に関する法律
● 生活困窮者自立支援法

の概略は押さえておきましょう(ポイント集p14)。


6 利用者の保護にかかわる仕組み(ポイント集p35~38)

社会福祉事業の経営者から、利用者を守る、ということですね。
この分野の内容をしっかり押さえられているかどいうかが、「社会福祉」で無難に合格点を取れるかどうかの分かれ目になると思います。
毎年数問はこの分野から出題されているので、とにかくこの分野だけでもまずはしっかり押さえていただきたいと思います。
「社会福祉法」75条~85条くらいの条文が根拠になっているので、それらの条文もしっかり見ておいてください。

(1) 自己評価・第三者評価

「社会福祉法」78条と関係しますが、児童養護施設等の社会的養護関係5施設以外の福祉関係施設においては、いまだ法令上の義務になっていない点に注意してください(保育所は努力義務)。

(2) 苦情解決

トラブルが常に解決に至るとは限らず、努力義務となっています(社会福祉法82条)。
運営適正化委員会にも注意しましょう。

(3) 権利擁護

成年後見制度と日常生活自立支援事業を押さえておきましょう。

(4) 情報提供

「社会福祉法」75条がベースですが、「児童福祉法」その他福祉関係法においても情報提供の努力義務が定められています。
「福祉サービスに関する情報提供は、1994(平成6)年の老人福祉法改正によって、初めて法律上規定された。」(○)
という知識がたまに役に立つことがあります。


7 相談援助(ソーシャルワーク)に関する問題

(1) 相談援助

相談援助については個別援助技術(ケースワーク)に関する原則である「バイステックの7原則」が基本となります。
「バイステックの7原則」は、簡単に説明すると、

① 個別化の原則: 利用者(相談者)のケースを他人のケースと比べることはしない。
② 意図的な感情表出の原則: 利用者が気持ちをさらけ出せるようにする。
③ 統制された情緒的関与の原則: 援助者自身の感情は抑えて、利用者に共感する。
④ 受容の原則: 基本的に、とくかく利用者を否定しない。
⑤ 非審判的態度の原則: 援助者自身の価値観で断定しない。
⑥ 自己決定の原則: 基本的に、とにかく援助者は決定しない。
⑦ 秘密保持の原則: たとえ施設の職員同士であっても、利用者の同意なく、相談内容等を他言しない。

これで、集団援助技術(グループワーク)に関する問題も含め、相談援助勢に関する問題には、かなり対応できるはずです。
あくまで利用者が主体であり、援助者は基本的には聴き役であり、専門外の相談については専門機関につなぐ、関係機関と連携する、のが「適切」だということになります。

(2) 展開過程

一般に、インテーク(受理面接)→ アセスメント(事前評価)→ プランニング(援助計画)→ インターベンション(介入)→ モニタリング(分析・評価) → エバリュエーション(事後評価)→ 終結という過程で展開されます。
順番と日本語訳を押さえておきましょう。

(3) モデル、アプローチ(ポイント集p26~28)

○○モデル、○○アプローチといった呼称の違いは気にしないほうがいいと思います。
生活モデル」、「ストレングスモデル(ストレングスアプローチ)」、「エンパワメント・アプローチ」などがよく出題されています。
難しく考える必要はありません。
ストレングスやエンパワメントは、肯定的(ポジティブ)な方向性ならOK、という捉え方で十分だと思います。
先日の過去問分析の記事を見ておいてください。

<社会福祉 過去問分析(相談援助)>

というわけで、出題事項が多岐にわたるため、「児童家庭福祉」と同様に、考え始めると、キリがなくなってしまいますが、最後の勉強の優先順位づけ、メリハリづけの参考にしていただけると幸いです。

明日は、このブログの本来の対象科目である「教育原理」・「社会的養護」の優先学習事項の記事を掲載させていただく予定です。



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社会福祉 過去問解説(相談援助) 

Posted on 18:05:13

<社会福祉 過去問解説(相談援助)>

【平成29年(後期)社会福祉 問11】

次の文は、相談援助(ソーシャルワーク)の実践モデルに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 利用者(クライエント)が差別されている社会状況によって、自己実現が阻害されているケースについては、クライエントの適応力を高める治療(医療)モデルが適切である。

B 利用者(クライエント)が失業するなどの状況下で自信や気力を失っているケースについては、クライエントに自らの強みを気づかせ、それを発揮して自信を取り戻せるように働きかけるストレングスモデルが適切である。

C 利用者(クライエント)が家族から情緒的かかわりを受けられないことにより問題を発生させたケースについては、生活モデルを中核としたアプローチが適切である。

D 相談援助の実践モデルは、治療(医療)モデルなどいくつかのモデルがあるが、新しいモデルが台頭すると古いモデルは通用しなくなっている。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ○
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ×
5 × ○ × ○


【解答・解説】

A 不適切
利用者(クライエント)が差別されている社会状況によって、自己実現が阻害されているケースについては、利用者の生活に生じる問題を、人と環境の交互作用として理解する「生活モデル」が、より適切であると考えられます。

B 適切
そうですね。
ストレングスモデルが有効な典型事例だといえます。

C 適切
利用者(クライエント)が家族から情緒的かかわりを受けられないことにより問題を発生させたケースについては、上記のように、利用者の生活に生じる問題を、人と環境の交互作用として理解する生活モデルを中核としたアプローチが適切であると考えられます。

D 不適切
「新しいモデルが台頭すると古いモデルは通用しなくなっている。」という点に関しては、全国社会福祉協議会「新 保育士養成講座・第4巻 社会福祉 改訂3版」(全社協)p119に次のような記述があり、不適切になると考えます。

「実践モデルとして、治療モデル、生活モデル、ストレングスモデルのどれを選んで実践するかということではない。生活モデルを中核にして、治療モデルとストレングスモデルの視点をもち最適な実践モデルを活用することである。」

以上より、正解は4となります。


【検討】

「社会福祉」では定番の相談援助(ソーシャルワーク)に関する問題です。
初めはとっつきにくさを感じる分野かもしれませんが、それ以上も、それ以下もない、改正も最新情報も関係ない、という分野なので、知らない語句がなくなる程度には押さえて、確実な得点源にしておきたいところです。

上記の全社協の記述によると、治療モデル、生活モデル、ストレングスモデルのいずれかが正しいということはないものの、生活モデルが中心で、状況によってはストレングスモデルが最適になるということになると思われます。

治療モデルは、調査、診断、治療という医師の治療過程をモデルとしていますが、治療モデルというモデル自体、誰かが積極的に主張したわけではなく、初めから、生活モデルなどの側が批判的な意味でそのように呼んでいたという面があり、基本的には、治療モデルが最適なケースはない、ということになるでしょう。


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社会福祉 過去問解説 (法令の制定年表) 

Posted on 20:43:22

<社会福祉 過去問解説 (法令の制定年表)>

「社会福祉」において、法令の制定順に並べる問題は、直近4回の試験に連続して出題されています。

必ずしも年号まで正確に覚えている必要はないため、学習が進んでくるとなんとなく解けてしまう方も多いと思いますが、一方でなかなか覚えられない方もいるのではないでしょうか。

4回のうち、制定の背景について記述のある、平成29年後期の問題を取り上げます。

<平成29年後期試験 「社会福祉」 問1>

次の文は、社会福祉制度に関する記述である。A~Eを制定された順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 「社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律」が制定され、地域福祉の推進等が明確に位置付けられた。

B 「子ども・子育て支援法」が制定され、新たな小規模保育等が推進されるようになった。

C 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」が制定され、婦人相談所は、配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすことになった。

D 「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」が制定され、高齢者虐待の防止等に関する施策が推進されるようになった。

E 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が制定され、障害を理由とする差別の解消が推進されるようになった。


(組み合わせ)
1 A→C→B→D→E
2 A→C→D→B→E
3 B→A→E→C→D
4 C→E→A→D→B
5 D→B→E→A→C


<解答>

A 「社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律」=2000(平成12)年

B 子ども・子育て支援法」=2012(平成24)年

C 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」=2001(平成13)年

D 「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」=2005(平成17)年

E 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」=2013(平成25)年

以上より、正解は2となります。


<考え方等>

上記の年号はあやふやであっても、「「DV防止法」は少し前だったな」「「子ども・子育て支援法」「障害差別解消法」は、けっこう最近できた気がする」などの感覚があれば、消去法で正解にいたることも可能ですし、それで十分です。
平成29年後期・平成30年前期とも問1で出題されており、ぜひとも正解して幸先のいいスタートを切りたいところです。


<参考>

以下に、「社会福祉」で出題される主な法令等の制定年を並べました。
が、法令で重要なのはいうまでもなくその中身ですので、年号を正確に覚えるというより、おおまかな流れをつかんでいただければと思います。


◆社会福祉関連法令等制定年表◆

1946(昭和21)年 (旧)生活保護法
1947(昭和22)年 児童福祉法
1948(昭和23)年 世界人権宣言
1949(昭和24)年 身体障害者福祉法
1950(昭和25)年 (現行の)生活保護法
1951(昭和26)年 社会福祉事業法(2000年社会福祉法に改題)
1959(昭和34)年 児童の権利に関する宣言
1960(昭和35)年 精神薄弱者福祉法(1998年に知的障害者福祉法に改題)
1963(昭和38)年 老人福祉法
1964(昭和39)年 母子福祉法(1981年に母子及び寡婦福祉法/2014年に母子及び父子並びに寡婦福祉法に改題)
1966(昭和41)年 国際人権規約(日本は1979年に批准)
1970(昭和45)年 心身障害者対策基本法(1993年に障害者基本法に改題)
1979(昭和54)年 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(日本は1985年に批准)
1982(昭和57)年 老人保健法(2008年高齢者の医療の確保に関する法律に改題)
1989(平成元)年 児童の権利に関する条約
1997(平成 9)年 介護保険法
1998(平成10)年 特定非営利活動推進法
2000(平成12)年 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律
2000(平成12)年 社会福祉法(改題)
2000(平成12)年 児童虐待の防止等に関する法律
2001(平成13)年 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律
2004(平成16)年 発達障害者支援法
2005(平成17)年 障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)
2005(平成17)年 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律
2006(平成18)年 障害者の権利に関する条約(日本は2007年に署名、2013年批准)
2011(平成23)年 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律
2012(平成24)年 子ども・子育て支援法
2012(平成24)年 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)(改題)
2013(平成25)年 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律
2013(平成25)年 子どもの貧困対策の推進に関する法律
2013(平成25)年 生活困窮者自立支援法
2014(平成26)年 母子及び父子並びに寡婦福祉法(改題)


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社会福祉 過去問解説3 

Posted on 17:47:17

<社会福祉 過去問解説3>
(平成30年(前期) 社会福祉 問3)

次の文は、児童の権利擁護とその根拠法に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 児童の意見表明権は、「児童の権利に関する条約」に規定されており、日本政府は条約の締約国であるため、その権利が守られるように施策を考え実施しなければならない。

B 親子間の情緒的関与が過度に不足することにより子どもに重大な発達障害を与えることを防ぐため、「刑法」が「保護責任者遺棄罪」という罰則規定を設けている。

C 親が子どもを学校に通わせないなど、児童の教育を受ける権利が侵害された場合、「学校教育法」において児童のその権利を擁護する規定が設けられている。

D 子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのないように、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が制定されている。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×


<解答・解説>

A=適切
「児童の権利に関する条約」第12条第1項で、
「締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。」と規定されており、
また、締約された(日本が批准した)条約は、わが国の法律以上の効力をもって日本政府等を拘束するので、記述全体として「適切」と言えます。

B=不適切
「刑法」第218条で「保護責任者遺棄罪」という犯罪と刑罰が規定されており、近年でも、「ネグレクト」などには適用され得る条文です。

ただ、「刑法」は、改正は多いものの、戦前に制定された古い法律であり、第218条も古い条文です。
条文の趣旨(保護法益)は、人(特に弱者)の生命・身体の安全です。

一方で「発達障害」という概念は、20世紀後半から提示されてきた、比較的新しい概念なので、少なくとも「刑法」第218条が制定される時点で、重大な発達障害を防ぐことが条文の趣旨(保護法益)として考慮されていたとうことはあり得ないことになります。
つまり、重大な発達障害を防ぐ「ため」第218条が設けられているという点が不適切となります。

※ なお、発達障害は、一般的に「生まれつき」の障害と考えられていますが、Bの前半の「親子間の情緒的関与が過度に不足することにより子どもに重大な発達障害を与える」という記述は、出生後の要因により発達障害が生じることを前提としているため、発達障害の捉え方自体が不適切だと考えられます。
ただ、この問題は「社会福祉」における「児童の権利擁護とその根拠法に関する」問題なので、発達障害の概念まで問うことはねらいとしておらず、意図せずして、発達障害の点でも不適切な記述になってしまったのではないかと思われます。

C=適切
公式の正答に従うと、「適切」だったということになります。

「学校教育法」に、保護者が子に9年の普通教育を受けさせる義務(第16条)や、「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。」(第19条)ことなどが規定されており、そのあたりを要約した記述なのかな、という感じです。

ただ、「教育を受ける権利」の性質が一義的に決まっているわけではない現状で、「児童の教育を受ける権利が侵害された場合」に当たるかどうかの判断を、裁判を待たずして画定することは困難なはずです
また、「成年後見制度」や「福祉サービス利用援助事業」など、福祉制度における「権利擁護」というジャンルはありますが、市町村等の責務等を規定することを「権利を擁護する」と言い換えるのは、しっくりしません。
Aと異なり、全体として、「学校教育法」の一部の条文をうまく要約・言い換えした記述とは言えませんが、「不適切」とも言い切れないということでしょうか。

D=適切
「子どもの貧困対策の推進に関する法律」第1条で、
「この法律は、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、(中略)子どもの貧困対策を総合的に推進することを目的とする。」と規定されており、適切です。

以上より、正解は3となります。


<検討>

筆記試験後に一般のニュースで取り上げられるなど、物議をかもした問題です。
「児童の権利擁護とその根拠法に関する」問題ということなのですが、古い法律である「刑法」と比較的新しい概念である発達障害を関係させようとしてみたり、「学校教育法」の条文を「権利擁護」という言葉で説明しようと試みたりしたものの、うまくまとまらなかった、という問題です。

Cの記述が「適切」だということになりますが、これを覚えたりしたらいけません。
筆記試験では、納得のいく組み合わせがないと思われる場合であっても、その場で「これは不適切問題だ」などと考えるのではなく、問題作成者の意図を考えて、正答に一番近いと思われる肢を選択することが大切です。

現場では、この問題の場合、AとDがどうしても「適切」だと思われるので、選択肢2・3しか残らず、どうしてもBかCの一方を「適切」としなければ答えが出ないことになります
Cの記述が何のことを言っているのかはっきりしませんが、上述のように、「刑法」第218条が制定された時期の古さと、発達障害という概念が出てきた時期の新しさを感じ取れれば、Bを「適切」とすることはできないので、よく分からないCの記述には目をつぶって、B「不適切」、C「適切」で、選択肢3にマークしてくるしかなかったと思います。


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社会福祉の出題傾向について 

Posted on 19:09:33

<社会福祉の出題傾向について>

「社会福祉」についても、「教育原理」「社会的養護」と異なり、20問ある(8問まで落とせる)こと、「保育士試験出題範囲」の項目に沿って「社会福祉」全体から浅く広く、淡々と出題されていることから、予想やヤマ張りは難しくなっています。
とにかく、捨て問になるような難問・時事問題を今から追いかけることはせず、頻出事項を押さえて6割をしっかり守り、消去法や一般常識も駆使して、結果的には、合格ラインを大きく超えているという形をめざしましょう。


【社会福祉法】

基本は「社会福祉法」の条文です。
福祉サービスの理念、福祉事務所、社会福祉法人、社会福祉事業、社会福祉協議会などが問題の表題になっていても、記述の半分は「社会福祉法」の規定だったりするわけです。

余裕があれば、「社会福祉法」の重要条文(リベンジセットの条文集の【重要度A】)にしっかり目を通しておけるといいでしょう。


【関連諸制度】

生活保護、年金、雇用保険、医療保険、介護保険の基本はしっかり押さえて、知らない記述があっても消去法で対応できるようにしておきましょう。

「地域福祉計画」(社会福祉法)、「障害者基本計画」(障害者基本法)、「障害福祉計画」(障害者総合支援法)「医療費適正化計画」(高齢者の医療の確保に関する法律)などの、計画名が紛らわしい福祉関係計画の根拠法、おおまかな策定事項を問う問題も頻出です。


【社会福祉における利用者の保護にかかわる仕組み】

社会福祉事業の経営者から、利用者を守る、ということですね。
この分野の内容をしっかり押さえられているかどいうかが、「社会福祉」で無難に合格点を取れるかどうかの分かれ目になると思います。
平成27年の全国試験では問15~18がこの分野に関する出題となっており、毎年数問はこの分野から出題されているので、とにかくこの分野だけでもまずはしっかり押さえていただきたいと思います。
「社会福祉法」第75条~第85条くらいの条文が根拠になっているので、それらの条文もしっかり見ておいてください。

① 第三者評価
「社会福祉法」第78条と関係しますが、児童養護施設等の社会的養護関係5施設以外の福祉関係施設においては、いまだ法令上の義務になっていない点に注意してください(保育所は努力義務)。

② 苦情解決
トラブルが常に解決に至るとは限らず、努力義務となっています(社会福祉法82条)。
運営適正化委員会にも注意しましょう。

③ 権利擁護
日常生活自立支援事業成年後見制度を押さえておきましょう。

④ 情報提供
「社会福祉法」第75条がベースですが、「児童福祉法」その他福祉関係法においても情報提供の努力義務が定められています。
「福祉サービスに関する情報提供は、1994(平成6)年の老人福祉法改正によって、初めて法律上規定された。」(○)
という知識がたまに役に立つことがあります。


【相談援助に関する問題(事例問題を含む)】

事例問題を含む相談援助に関する問題については「バイステックの7原則」から考えるといいでしょう。
「バイステックの7原則」は、簡単に説明すると、

①個別化の原則: 利用者(相談者)のケースを他人のケースと比べることはしない。
②意図的な感情表出の原則: 利用者が気持ちをさらけ出せるようにする。
③統制された情緒的関与の原則: 援助者自身の感情は抑えて、利用者に共感する。
④受容の原則: 基本的に、とくかく利用者を否定しない。
⑤非審判的態度の原則: 援助者自身の価値観で断定しない。
⑥自己決定の原則: 基本的に、とにかく援助者は決定しない。
⑦秘密保持の原則: たとえ施設の職員同士であっても、利用者の同意なく、相談内容等を他言しない。

これで、事例問題も含め、相談援助勢に関する問題には、かなり対応できるはずです。
あくまで利用者が主体であり、援助者は基本的には聴き役であり、専門外の相談については専門機関につなぐ、関係機関と連携する、のが「適切」だということになります。

というわけで、出題事項が多岐にわたるため、やはり歯切れが悪くなってしまって申し訳ございませんが、勉強の優先順位づけ、メリハリづけの参考にしていただけると幸いです。


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